「英語を克服した私が、もし過去の初心者に戻ったら、私はこういう勉強法をするだろう。」 執筆者【英国在住。通訳、翻訳家 naokoさん】
私が行った勉強法
主にTOEICやTOEFLといった試験に向け、単語、文法、イディオム、リスニング、ライティング、ライティングの6分野の勉強を集中に行った。
単語
とにかく暗記。ノート一冊を埋めるくらい一つの単語を書いて練習したり、通勤通学中のバスでも、手作りの単語帳やテキストで復習しながら時間を有効活用。歩いている時はCDで外国人の発音にも耳を慣れさせた。家のトイレの壁にも単語表を張った。好きな洋楽の歌詞を読み、知らない単語があれば書き出し意味をチェックした。
文法
文法専用のテキストなどを購入(または学校の授業で使うものを使用)し、各章の練習問題を間違いが無くなるまで何度も繰り返し行った。一通りテキストが終わったら再び第一章に戻り、しっかり理解できているかを確認。あらゆるテキストに一度に手を付けるより、一冊を完璧制覇し自信をつけてから次のテキストへと臨んだ。不明な点は指導者に聞いたりなどして、必ず理解できるようにした。
イディオム
単語と同じく暗記中心で勉強。テキストの例文まで暗記したり、長文を読みながら用法を確認。高校時代は毎週1回20のイディオムのテストがあり、それに向けて暗記した。
リスニング
CDでニュース、学問、ビジネス系などあらゆる分野についてネイティブが話す英語を聞いた。速すぎて聞き取れない単語が一語でもあれば、何十、何百回と繰り返し聞き、英語がスラリと頭に入り、訳さずとも理解できるまで続けた。自分の好きな洋楽を聞いたり、興味分野のポッドキャストを聞いたりなどもした。
ライティング
テスト問題の課題に沿って、文章を作成し指導者にチェックしてもらった。また大学で、見た映画についての感想文を書く課題などが出た時を活用し練習。
スピーキング
知り合いの外国人とたまに会い、ランゲージエクスチェンジをした。
効率の悪かった勉強法・良かった勉強法
効率があまり良くなかった点として2点挙げることができる。ライティングにおいては課題で出された場合にのみ嫌々ながら練習していたせいで当時は伸びなかったので、もう少し頻繁に練習しておけば良かったと思う。
またスピーキングについても、留学するまでは知り合いの外国人とたまに練習するくらいであったため、留学先では苦労した。日常からもう少し規則的に練習できる機会を作れば良かったとも思う。
効率の良かった点としては、時間が10分でもあれば単語、文法、イディオムの学習に費やしたことが挙げられる。暗記中心教育を批判する声も多々聴くが、日本語とは文字も発音も全く異なる英語。暗記せずに上達させる方法はないと感じるし、暗記した単語が自分のものになって初めて英語の楽しさが分かってくる。
また好きな洋楽やポッドキャストを聞いたりといった自分の興味分野で英語に触れることはとても効率的だった。モチベーションにも繋がるし、何より楽しんで学習できたので、英語も頭に入りやすかった。
もし私が初心者に戻ったら、英語をもっと「読む」ことにも力を注ぐと思う。英語を「読む」ことは単語、文法、イディオム、ライティングといった総合的なスキルに貢献する。英語学習の目的にもよると思うが、個人的には自分の興味のある分野の本、雑誌、新聞、ネットでの情報集め(現在はネットで情報が溢れている)をお勧めする。自分が「読みたい」、「理解したい」と思えることが英語学習において一番大切だと感じる。
もし目標がTOEICのスコアを上げることだとしても、例えば自分の興味のある料理についての文章を読むことは全く無駄にはならない。試験の参考書だけにフォーカスするより、全く違った分野でも英語に触れることが大切。英語に触れる機会が多ければ多いほど、脳が英語自体に慣れ、TOEICのスコアにも貢献する。ただし、TOEIC専用の単語や過去問題ももちろん学習に組み込む必要がある。洋画が好きであれば、最初は字幕付きで見て、数回、数十回後には字幕無しで理解できるまで繰り返す方法も効果的である。
スピーキングにおいては、地域の外国人との交流機会を見つけたり、コミュニティーセンターなどで無料でのランゲージエクスチェンジを宣伝したりと、何らかの方法で外国人に触れあう時間を作ることをお勧めする。もしそれが難しければ、現在はオンラインでの英語レッスンも可能であり、方法は様々にあると思う。
全てのスキル分野において、「繰り返す」ことが重要だと思う。「これだけ時間を費やせば自分のものになる」といった絶対ルールは存在しないし、近道も無い。学習には個人差があるので、自分が自分で「もう大丈夫、理解できた」と自信を持って思えるまで全てを繰り返すこと、これがカギになる。
最後のアドバイスとして、周りと比べないこと、間違いを恐れないこと、また分からないことは分からないと言えるようになることが挙げられる。
人にはそれぞれ違った学習法が向いていて、学習スピードにも差がある。しかし究極には、「英語学習の目的に向けて頑張っている自分を、自分で誇りに思えること」しか大切なものはないと感じる。結果がどうであれ、自分で満足のいく学習法をして欲しいと思う。
また、間違えることによって学ぶことは予想以上に大きい。間違いをし、修正することで脳にインパクトが残り、結果学びに繋がる。間違いを恐れて挑戦しないより、どんどんと挑戦していって欲しい。
西洋では「分からない」と表現することは全く恥ずべきものでなく、逆に「この人はしっかりコミュニケ―ションする意思があるんだ」という印象を与えることに繋がる。日本的な恥は必要ないので、相手を困らせるくらい「I don’t understand.」と言って前向きにコミュニケーションを図ろう!そして、それが英語の上達にも繋がることになる。
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