「英語を克服した私が、もし過去の初心者に戻ったら、私はこういう勉強法をするだろう。」 執筆者【カナダ在住。翻訳家 megumiさん】

自分が英語を習得した過程

私の英語学習は高校時代から本格的に始まった様に思います。当時進学校で高校1年の入学時から大学受験に向けて、毎週50個程の英単語テスト、20から30個程の英熟語テストがあり、授業で行う長文読解も予習は必須。必然的に英語を勉強しなくてはいけない環境でした。

学校では受験英語にほとほと嫌になっていましたが、修学旅行で行ったカリフォルニアでのホームステイで「英語を話すことができると、今まで全く知らなかった世界の人と話ができる」という単純ですが語学学習本来の楽しさに気づき、大学受験後は自力でカナダのバンクーバーに短期留学したり、英会話スクールに通ったりしながら、机の上で勉強するよりも話す力をつけることに集中していました。

社会人になってからは洋画を見る程度にしか英語を勉強する機会がありませんでしたが、外資系企業のクライアントと接するようになってから「やはりもっと英語を話せるようになりたい」という気持ちに火がつき一念発起。仕事を退職しカナダのトロントにワーキングホリデーで1年、その後学生ビザに切り替えて計2年滞在しました。TOEICも学生時代に独学で勉強した640点が最高でしたが、2年間の滞在後は875点まで伸びました。

2、効率の良かった勉強法/ 効率の悪かった勉強法

私の場合、高校でやった受験英語が結果として今の私の英語力を支えていると思います。その頃は「なんでこんなに受験に向けての受験でだけに使う英語を勉強しなくちゃいけないんだろう」と非実践的でしかないように感じて不満しかありませんでしたが、現在の私の英語力は、当時嫌々ながら無理やりにでも語呂合わせにするなどして覚えた語彙力によって成り立っています。

高校3年間で覚えた単語や熟語、長文読解の為の英語構文は膨大な量で、その後時間が経って忘れていても「あ、この単語聞いたことがある」と再度覚え直すのは比較的簡単でした。

いくら英語を話せるようになりたいと思っていても、自分が話したいことを話すにはある程度の語彙力が必要です。私の場合、受験の際に使った単語帳や参考書を復習することで自分の理想とする「英会話力」をつけていきました。

また、ワーキングホリデーに行く前までは手帳に英語で「今日何が起きたか」を短く書いてみたり、英語だけをつぶやくツイッターアカウントを開設したりしていました。

ツイッターは仕事終わりや友達と遊んだ帰りなど、ふと思った時に気軽にできる上に、つぶやくのにわからない単語などもネットで調べられるので、仕事で忙しいときでも「この『連日残業で疲れたからビールが飲みたい』という気持ちを英語で言うにはどうしたら良いのか」とより日常的な表現を勉強する良い機会になっていました。

また、海外の有名セレブやハッシュタグから見つけた海外のツイッターアカウントをフォローすることで彼らのツイートから英語の表現を学んでいくこともできました。

こうして「テストで点数を取るよりも話せるようになること」に集中していた私ですが、一方で今思うとやっとけばよかったと思うのは、英語の文章を読むことです。

大学受験時に文法問題と長文読解が大嫌いだった私は、「受験でやった分で、ある程度はもう出来ているし、今はそれよりも話せたほうが得だ」と考えて特に大学受験後は全く勉強しませんでした。

その為、今でもニュースサイトや新聞、商品の説明文など英語の文章を読むのがとても苦手です。海外で生活すると時折英語で手紙を書いたり、仕事を引き継ぐ為に英語でメッセージを残したりする場面が多くあったのですが、文章を読むのが苦手な私は文章を書くことも苦手で、会話で使うような砕けた表現や簡単な英語表現での文章が多くなってしまうのです。英語が克服した今になって「効率が悪くなってきたな」、「今からでも勉強した方が良いな」と感じています。

日本人には私のように英語を話せるようになりたいとスピーキングに集中して勉強する人が多いかと思いますが、仕事や海外出張などビジネスのシチュエーションで英語を使う際はよりフォーマルな会話、文章が求められます。会話がある程度できるようになった今、元来苦手だった文章読解の大切さを感じる日々です。

もし初心者に戻ったらこうする

こうした経験から、私はもし英語学習初心者に戻ったら、スピーキング力を伸ばすのと同時に英語の文章をもっと読み、文章読解に慣れるようにしていたと思います。

文章読解と言っても難しい本を買って読んだり、参考書で勉強したりする必要はないのです。普段読んでいる新聞の英字版を読んでみたり、SNSをチェックするついでに海外のニュースサイトもチェックしてみたりと少しずつやれる範囲でやってみるだけで違うと思います。

特に日本の新聞各社は近年英字版を出しているところも多いので、日本について話す際の特有の単語(「余震」や「震度」などの自然現象用語や「内閣」や各省庁などの政治用語)を勉強する良い情報源になります。

文章を読んで新たに勉強した単語はそのまま話す時に使えますし、話す機会がなくても自分で文章を書いたりする際にそのまま応用できます。

とはいえ、英語初心者は克服した私も、まだまだ英語力は伸ばさなくてはと思っているので、今後はこうした反省点を生かしながら更に自分の強みになるよう頑張っていこうと思っています。

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