「英語を克服した私が、もし過去の初心者に戻ったら、私はこういう勉強法をするだろう。」 執筆者【英国在住。イギリス人妻 chinatsuさん】
私の英語学習の歴史
私の英語学習の始まりは、中学一年生の春、12歳の時でした。’a b c d…’ ‘This is a pen’から始めたわけです。素直に楽しかった覚えはありますが、塾や英語スクールに行くこともなく学校の教科書や定期テストのみをこなしていました。
高校は地元の普通進学校でしたがそのころ家族の影響で洋画や洋楽が好きになり、自然と英語に興味を持って真面目に授業を受けていました。
なにせ20年以上も昔のことですから当時はグラマー、英文読解、そして会話らしき授業にたまにネイティブの先生が来て英語を喋っていく、というシンプルさでしたが大学受験レベルまでの英語としては、単語、文法、読解、という最も重要な柱はできていたのでは、と感じますが、イギリス、アメリカ文学を学ぶために国立大学の英文科に入学しました。
卒業後に英語とは関係のない職場で事務員をしていた時に英検準一級をとり、やはり英語の勉強は楽しいと実感し3か月ほど英国に滞在して語学学校に通ったりして帰国後英語講師になりました。
そしてその留学時の縁がきっかけでイギリス人と国際結婚することになり、現在在英14年になります。残念ながら娘たちのバイリンガル化には苦戦していますが、彼女たちに対しては「お母さんは日本語しか話さない」を嫌がられながらも貫くしかないところです。
私の英語学習方法の良かったところ、足りなかったところ
英語を克服する最初のステップは、やはり「基礎をしっかり固めること」とです。言語習得前の幼児でしたら、英語圏に住んで英語漬け、家の中では日本語のみ、などで完全なバイリンガルに成長することが可能ですがそうでない場合、やはり訓練による基礎の習得が大切ということでしょう。
毎日宿題が出てたからでしょうが宿題、予習、復習で「単語、文法、読解」の繰り返しを毎日やること、「やらないと忘れる」という危機感が自然と生まれるので続ける、という習慣ができていました。
そうは言っても高校入学時にリーディングが難しい。。と感じたのは
SV SVO SVC SVOO SVOC
の五文型を先に全部きちんと理解していなかったからかな、と今感じています。
どんな長文でもどれが主語なのか、動詞なのか、補語なのか、その「構造さえわかれば読み解ける」ともっと早く気づいていたらよかったのでしょう。
自分が「何をわかっていないかがわかる」と先に進みやすいのですが、もし教える立場であったら、英語の先生というのは英語のエキスパートである必要はなくてそういう生徒さんがどこをわかっていないのかをわかってあげられることが重要でしょう。その点ネイティブの先生ではそんなことは到底気づくことはできないでしょう。
英語学習中のころの私に今振り返ってアドバイスできるとすると英語は同じ意味の単語でもたくさん違う単語があるのが大変ではあるけど楽しいものなのですが、それは英文を読んでわからなかったときなどにその都度やっつけていくか、同義語辞典Thesaurus を活用するなどして語彙を増やすのが大切です。
同時に文法も英語はルールがはっきりしているのでちゃんと理解すれば読解に苦労しないものだったのですが、高校大学と英文を読むのは好きだったとはいえ、「もっと英語を聞くこともトレーニングしていたら」と感じます。若い時に「自然な英語を集中して聞く時間を持つ」ことを実践して耳を英語に慣らしていたらもっと後で楽だっただろうな、ということです。
そうすると自然と自分で発する「発音も改善される」ものですが、言い訳になりますが昔はあまり今ほどリスニング環境が恵まれていなかったはずです。しかし今はネットで気軽に自分にあった教材にアクセスでき、気に入ったものは携帯にでも取り込んで移動中でも休み時間でも聞いていくことができます。
英語の発音に関しても、きちんと学ぼうと思えば映像を見ながら自分で練習できるような独学でも十分上達する方法がみつかるはずです。
実際英会話のなかで、やはり重要なのがLとRの発音の違いです。日本語にはない発音で、英語でもそれが違うと意味が大違いになることが特に多い音ですのでこれだけは頑張って習得しておくべきでしょう。
実は私もまだWの発音がちゃんとできていないようで、wolfの発音がおかしいらしく、娘たちはネイティブだからなぜ私が言えないのかわからなくて不思議なのでしょうが、できるまで頑張るしかありません。
私の場合英語を聞きとることを克服するのがかなり年を取ってからのことになったわけですが、「学校で英語が嫌いだった」、という人でも逆に社会人になってから単語、文法、読解で基礎を固めてからリスニングも鍛えるのは全く遅くないと思うのです。
英語の勉強はいつでも始められるもので終わりはないのでライフワークの一つにしていく価値があるでしょう。独学でいくらでも上達することができますし、TOEICなり英検なり受けてみると結果が自分で見えるものですからやりがいも生まれます。
あと一つ、私が社会人になってから英語をもっと上達したいな。。と思ったときにイギリスの語学学校に通ったことに対して、あの時の私にアドバイスできることがあります。
現地の語学学校というのは楽しいものですが、「英語の上達には結びつかない」、ということです。本気で英語力アップを目指すにはそれなりの負荷をかけた目標を持たないと、あっと言う間に終わって何の結果も残らないということになります。
確かにその留学の経験で、帰国後英語を学ぶ楽しさ、というのを伝えるにはいい経験ではあったのですが、帰国後のキャリアアップなどを目指すなら時間も費用も無駄にしてほしくありません。
私はこれからの老後、家族に看取られるまで英語とは縁が切れないことになりました。英語は初心者で勉強始めてみようかな、と思っている方にはぜひ挑戦していただきたいです。必ず世界が広がることと、可能性が増えることはありますが、ああ、勉強して無駄だった。。ということはありません。そしてこれからもどんどん日本人が世界で活躍していくのを楽しみにしています。
スポンサー広告