【ある中年男性の体験談 続き】

私は当初、映画の日本語字幕を見て、映画の英語を理解しようとしていました。
ところが、ちょっと長めの英語フレーズは、英単語の半分位、訳が省略されていること
に気づきました。

つまり、同じ長さの時間内に英語は日本語の倍位の情報量があるということです。

映画の日本語字幕は、英語の意味を全部表示すると、多すぎて視聴者が時間内に読みきれないのです。

それで、省略したり、意訳にしたりして分りやすくしているのです。

それから、英語を直訳すると、日本語的にとても変な文になったりもします。

「ローマの休日」で、あの有名な「真実の口」のシーンで、主人公をおどかした後の英語を直訳すると、

You beast ! It was perfectly all right ! You’re not hurt !

「あなたひどい人、それは完全に大丈夫だった。あなたは傷ついてない。」

と変な感じですが、

意味を汲み取って日本語的に訳すと、若い女性が

「ひどーい ! 何ともないじゃない ! 大丈夫なのね !」

という風な感じになります。

通訳の仕事の難しさは、このように英語を直訳的に理解しつつ、
日本語に合った訳に組み立てなければならないことでしょうか。

でもネイティブ英語を身に着けるには、
ネイティブの表現に精通する必要があるのです。

それで、結論を申しますと、市販のDVDなどの映画の日本語字幕は、
細かいところが随分省略されているので、初心者が

英語映画をしっかりと学ぶには不十分かな、と感じます。