1.世界は英語で動いている

国際化が急速に押し進み、ますます英語コミュニケーションが不可欠となっている現代。もはや英語がある程度出来ないと「時代について行くのが困難」となりました。海外旅行、ロングステイ、海外移住・・・、国内から一歩でも踏み出せば、そこには英語の世界が待っています。そこでは入管もタクシーもホテルも、英会話教室のように分りやすく英語をしゃべってはくれません。全てはナチュラルスピードの英語で応対しなければならないのです。

世界的に見て、日本人の英語取得能力は世界最低水準と言われています。日本国内にこれ程英会話教室が氾濫し、何千とある英語関連著書が出版されているにもかかわらず、日本人の英会話能力は依然として向上していないのです。その一番の原因は、形式的な学習に固執し、ネイティブの自然な英語に慣れ親しんでいないからなのです。


2.映画は一番の英語教材

よく、英会話教室などのキャッチコピーで、「英語は簡単です!」「すぐに身に付けられます!」等の宣伝文句を耳にしますが、そんなことはありません。英語は海外在住経験のない日本人にとって、大変難しいです。実際に映画をご覧になってみて下さい。ネイティブの自然な会話は、非常に聞き取りづらいです。それは、ナチュラルスピードの英語は単語と単語がくっ付いて発音され、全く別の単語のように聞こえる場合が多いからです。

これが、我々日本人の英会話能力を向上させない大きな壁となっているのです。つまり、相手の言っていることが「聞こえない」のです。「聞こえ」なかったら、正しい応答ができません。また、たとえ「聞こえ」ても、「意味がわからなければ」同様です。「聞こえる」ことと「意味がわかる」ことの2つが正しい応答には必要なのです。正しい応答が出来なければ薄っぺらな自分主体の英語で話すしかなく、結果としてコミュニケーション・ブレイクダウンとなってしまうのです。

ですから、英語学習の最初の最も重要な要因は、ネイティブの自然な会話が「聞き取れる耳」を作るということです。もちろん、ナチュラルスピードのものをです。市販の英語教材での学習も悪くありませんが、その多くは聞き取りやすいように作られていますから、真に実践的とは言えません。英会話教室なども先生が聞き取りやすいように発音してくれますから同様です。(また、彼らの多くは日本で長く生活し、日本人を相手にレッスンしている為、日本語なまりの英語になっている場合も多いのです。)

海外に行って英語を実践してみて下さい。色んな種類の色んな英語に遭遇します。はっきり発音しない人、ボソボソ言う癖のある人、なまりの人、早口の人・・・。究極的にはその全ての人に対応出来るようになるのが理想ですが。ここで重要な点は、人為的な「聞き取りやすい」英語で学ぶのではなく、実際の現場に近い「我々日本人にとって聞き取りにくい」ナチュラル英語で学ぶことが大切だ、ということです。それは、たとえ初心者であってもです。

なぜなら、人為的な英語と、実践の場でのナチュラル英語とでは、聞こえ方が違うからです。ナチュラル英語は、音がつながる箇所、消える箇所、省略する箇所、別の音に変化する箇所、等実に様々です。逆に、「聞き取りやすく作られた」英語に慣れてしまいますと、ナチュラル英語の音の変化がいつまでたっても聞き取れない、という弊害も出てきます。

日本語の、「やってみてください!」が「やっちゃって!」などと変化するように、英語では、「What is your name?」は、「ワァッチャネーム?」という風になります。これらは実際に何度も聞いて体で覚えるしかありません。

ネイティブの赤ん坊は皆そうしてきました。彼らは最初から家族やTVなどのナチュラルスピードの英語に慣れ親しみ、英語を習得してきました。見て、聞いて、マネすることが重要なのです。そして、彼らと同じような環境で学習するのに、最も適したツールが映画なのです。ちなみに、どこの国の赤ん坊も3歳位になるまでは母国語を自由に話せません。専門家によりますと、母国語をだいたい理解出来るようになる為には約2000時間のヒアリングが必要だと言われています。しかし、ただやみくもに聞いていても効果は望めません。情景を見ながら、あるいは場面を思い描きながら反復して聞かなければ効果は半減してしまいます。

3.英語学習映画の目的

まず初めに、本シリーズは上級者の為のものではありません。英語学習において意欲はあるが、壁にぶち当たっている人たちのために作りました。彼らの多くはテキスト学習が主流ですが、テキスト学習はそれをこなす為に、相当な時間と継続的な忍耐を必要とします。これは、学校の英語教育を見れば明らかです。中学、高校と何年間、何時間勉強しましたか? 努力してもなかなか報われないのが実情だと思います。

その原因の1つは、時間をかけている割に、「ヒアリングしている時間が少ない」という点です。実際に英語を実用的なものにするには、まず圧倒的な量のナチュラルスピードの英語を反復して聞かなければならないのです。これには近道はありません。異議のある方は専門家に聞いてみるとよいでしょう。週に2、3度、英会話教室に通っているだけでは絶対量として不十分です。

ところで、皆さんはこれまでに学習してきたテキストやヒアリング教材の内容を覚えていますか? その殆どは忘れてしまっていませんか? 結論から申しますと、印象の薄いストーリーは頭に残りにくい、また反復学習に適さないということです。

名作と呼ばれる映画が英語学習に最適なのは、何度見ても味があり、役者のセリフは印象的で覚えやすくマネしやすいからです。たとえば、「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーンやグレゴリー・ペックになったつもりで、対話の片方を受け持ってみて下さい。役者になったつもりで感情を込めてセリフを話せば、かなりの割合で記憶に残ります。

それから、本シリーズは、「聞こえても」、「意味が分らなければ身につかない」、という考えから、日英同時字幕を採用しました。また、辞書を引く時間を短縮する為に、「単語・熟語訳字幕」で補っています。その最大の狙いは、辞書を引いている時間を節約することによって、映画の視聴時間を増やせるからです。

また、ヒアリング時間を増やす為に、アップル社が開発したiPodで活用する為の「本編の動画データ」も用意しました。こちらは主に「ヒアリング用」で、通勤時間の電車の中などで聞くとよいでしょう。最新のiPodを使えば動画も実用的です。

繰り返し述べますが、英語習得において反復学習の絶対量は必要不可欠です。また、コミュニケーション・ブレイクダウンにならないように、「どういう場面でどういう言葉が使われるか」を習得することも重要です。それらを総合的に学べるのが、本シリーズで登場する「上品な標準英語主体」のクラッシック名作映画なのです。

本シリーズがあなたの英語能力向上に役立って頂ければ幸いです。