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「人魚姫」日本語音声対訳 13 運命のいたずら

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そのあくる朝、船はおとなりの王さまの国の、きらびやかな都の港にはいっていきました。
The next morning/ the ship entered the harbour/ of the neighbouring king’s magnificent city.
翌朝/ 船は港に入った/ 近隣の王の壮大な都の

町の教会の鐘が、いっせいに鳴りだしました。
The church bells rang
教会の鐘が鳴った

そこここのたかい塔で、大らっぱを吹きたてました。
and trumpets were sounded/ from every lofty tower,
ラッパは鳴らされた/ あらゆる高い塔から

そのなかで兵隊が、旗を立てて、銃剣をひからせて行列しました。
while the soldiers paraded with flags flying and glittering bayonets.
同時に兵士は行進した/ 旗をなびかせ/ 煌く銃剣と共に

fly 風に翻(ひるがえ)る
bayonet 銃剣;剣

さて、それからは、まいにち、なにかしらお祝ごとの催しがありました。
There was a fete every day,
祝宴が毎日あった

fete 祝宴

舞踏会だの、宴会だの、それからそれとつづきました。
there was a succession of balls,/ and receptions followed/ one after the other,
舞踏会が次々と/ そして接待が続いた/ 代わる代わるに

succession of 連続するもの,連続物
one after the other かわるがわる, 交互に

でも王さまのお姫さまは、まだすがたをみせません。
but the princess was not yet present;
だが王女はまだ現れなかった

present 出席して,参列して

うわさでは、どこかとおい所の、あるとうとい教会にあずけられていて、
she was being brought up/ a long way off,/ in a holy Temple/ they said,
彼女は養育されている/ 遠く離れた所の/ 神聖な教会で/ 噂によると

be being+過去分詞 ~されている(ところです)
bring up 育てる;養育する

そこで王妃たるべき人のいっさいの道を、修めておいでになるということでした。
and was learning/ all the royal virtues.
そして学んでいる/ 王家のしきたりの一切を

virtue 道徳;仁義;徳行

そしてついに、そのお姫さまもやっとおかえりになりました。
At last she came.
ついに彼女は来た

人魚の姫も、いったいどんなにうつくしいのか、はやくそのひとをみたいものだと、気にかかっていましたが、
The little mermaid stood eager to see/ her beauty,
人魚の姫は見たがっていた/ 彼女の美しさを

stand 〈…の状態に〉ある
eager to 〈し〉たがる

いまみて、いかにも人がらの優美なのに、かんしんしずにはいられませんでした。
and she was obliged to confess/ that a lovelier creature/ she had never beheld.
彼女は認めざるをえなかった/ より美しい女の人だと/ 今まで見たことが無い

obliged to ~せざるをえなくて
confess that〈…ということを〉自認する
creature 人,やつ,女,子
behold 拝する;見る

はだはうつくしく透きとおるようですし、
Her complexion was exquisitely pure/ and delicate,
肌はこの上なく綺麗で/ 繊細であった

complexion 顔色, 血色, 顔の色つや, 顔の肌
exquisitely 非常に美しく, 絶妙に
pure (よごれ・バクテリアなどのない意味で)きれいな,清潔な
delicate 優美な, 繊細な, 上品な, 優雅な

ながいまっ黒なまつ毛の奥には、ふかい青みをもった、貞実な目がやさしく笑みかけていました。
and her trustful eyes of the deepest blue shone/ through their dark lashes.
信頼に溢れたあい色の目は輝いていた/ 真っ黒なまつ毛の間から

trustful 信頼の念に満ちた, 信用する
shine〈希望・幸福感などが〉輝く
lash まつ毛

「あなたでしたよ。」と、王子はいいました。
‘It is you,’ said the prince,
「あなたです」と王子は言った

「そう、あなたでした。ぼくが死がいも同様で海岸にうち上げられていたとき、すくってくださったのは。」
‘you who saved me/ when I lay almost lifeless on the beach?’
「私を救ったのはあなたでしょ?/ 私が海岸で死に直面していた時」

こう、王子はいって、顔をあからめている花よめを、しっかり胸にかかえました。
and he clasped/ his blushing bride/ to his heart.
そして王子は抱き締めた/ 顔を赤らめている花嫁を/ 自分の胸に

clasp 抱き締める
blush 顔を赤らめる

「ああ、ぼくはあんまり幸福すぎるよ。」
‘Oh! I am too happy!’
「ああ!私は幸せすぎる!」

と、王子は、人魚の姫にいいました。
he exclaimed to the little mermaid.
王子は人魚の姫に声をあげた

exclaim (喜び・怒り・驚きなどで突然)強い語調で言う,声をあげる

「最上の望みが、しょせん望んでもむだだとあきらめていたそれが、みごとかなったのだもの、
‘A greater joy/ than I had dared/ to hope for has come to pass.
「ものすごい喜びだ/ 私があえてしたよりも/ 起こる事を望んだ

come to pass 起こる, 実現する

おまえ、ぼくの幸福をよろこんでくれるだろう、
You will rejoice at my joy,
あなたは私の喜びに喜ぶでしょう

だっておまえは、どのだれにもまさって、ぼくのことをしんみにおもっていてくれたのだもの。」
for/ you love me better/ than any one.’
なぜなら/ あなたは私をより愛してる/ 誰よりも」

こういわれて、人魚の姫は、王子の手にくちびるをあてましたが、
Then the little mermaid kissed his hand,
人魚の姫は王子の手にキスをした

心臓はいまにもやぶれるかとおもいました。
and felt/ as if her heart/ were broken already.
そして感じた/ まるで心臓が/ すでに破られた様に

ふたりのご婚礼のあるあくる朝は、この人魚の姫が死んで、
His wedding morn/ would bring death to her
彼の結婚式の朝は/ 彼女に死をもたらす

morn = morning

あわになって、海の上にうく日でしたものね。
and change her to foam.
そして彼女は泡と化す

のこらずの教会の鐘が、かんかん鳴りわたりました。
All the church bells pealed
すべての教会の鐘は鳴り響いた

peal〈鐘などが〉鳴り響く,とどろく

先ぶれは町じゅう馬をはしらせて、ご婚約のことを知らせました。
and heralds rode/ through the town proclaiming the nuptials.
そして使者は馬を走らせた/ 町中に/ 結婚式を宣言して

herald 布告者,報道者; 使者,先駆者,先ぶれ
ride through 乗り通る
proclaim (特に, 重大な国家的な出来事を)宣言する
nuptial 結婚式

あるかぎりの祭壇には香油が、もったいないような銀のランプのなかでもえていました。
Upon every altar throughout the land/ fragrant oil was burnt/ in costly silver lamps.
津々浦々あらゆる祭壇では/ 芳香油が燃やされた/ 高価な銀のランプで

altar (教会堂の)祭壇, 供物台, 聖餐(せいさん)台
throughout the land 津々浦々, 国中
fragrant oil 芳香油
costly 高価な, 金のかかる

司祭たちが香炉をゆすっているなかで、
Amidst the swinging of censers/ by the priests
揺すっているつり香炉の真ん中で/ 司祭達の

amidst = amid …のまん中に, のまっ最中に
censer つり香炉 《宗教儀式でこれを手にさげて振って用いる》
priest 聖職者, (特にカトリックの)司祭

花よめ花むこは手をとりかわして、
the bride and bridegroom joined hands
花嫁花婿が手を交わし

bridegroom 花婿, 新郎

司教の祝福をうけました。
and received the bishop’s blessing.
司教の祝福を受けた

blessing (神からの)恩恵, 天恵

人魚の姫は、絹に金糸の晴れの衣裳で、
The little mermaid,/ dressed in silk and gold,
人魚の姫は/ 絹と黄金を身にまとい

花よめのながいすそをささげてもちました。
stood holding the bride’s train,
花嫁の衣装のすそを持ちながら立った

train (長く後ろに引いた衣服の)(も)すそ

でも、祝福の音楽もきこえません。
but her ears were deaf/ to the festal strains,
でも耳に入らない/ 祝祭の歌が

deaf to〔…に〕耳を傾けないで
festal 祝祭の
strain 曲,旋律; 詩歌,歌

儀式も目にうつりません。
her eyes saw nothing/ of the sacred ceremony;
目に何も映らない/ 神聖な儀式の

sacred (神にささげられたの意で)神聖な

姫は、うわの空で、いちずに、くらい死の影を追いました。
she was thinking/ of her coming death
彼女は考えていた/ 迫り来る死を

いっさいこの世でなくしてしまったもののことをおもいました。
and of all that/ she had lost in this world.
全ての事を/ この世で失った

夕方には、花よめ花むこは、船にのって海へ出ました。
That same evening/ the bride and bridegroom embarked,
その日の夕方/ 花嫁花婿は乗船した

embark (船・飛行機に)積み込む,乗船させる

大砲がなりとどろき、旗がひるがえりました。
amidst the roar of cannon/ and the waving of banners.
大砲の轟きの中で/ そして旗の合図の

roar of 怒号, とどろき, 叫び声, どよめき, 爆笑
cannon (昔の)カノン砲
the waving 合図
banner 行進の先頭に立つ)旗じるし

船のまん中には、王家ご用の金とむらさきの天幕が張れて、うつくしいしとねがしけていました。
A royal tent of purple and gold/ softly cushioned/ was raised amidships
紫と黄金の王家のテントは/ 柔らかく保護された/ 船の中央に上げられた

cushion 〈衝撃・苦痛などを〉やわらげる,緩和する
amidships 【航海, 海語】 船の中央に

花よめ花むこが、そこですずしい、しずかなひと夜をおすごしになるはずでした。
where the bridal pair were to repose/ during the calm cool night.
そこで花嫁花婿が休む事になっていた/ 静かな涼しい夜の間

repose 休む,休息する

帆は風でふくれて、
The sails swelled in the wind
帆は風で膨れ

swell 〈帆などが〉はらむ

船は、鏡のように平らな海の上を、かるく、なめらかにすべって行きました。
and the ship skimmed lightly/ and almost without motion/ over the transparent sea.
船は静かに進んだ/ 殆ど動作なく/ 透明な海上を

skim〈水面などを〉すれすれに通って[飛んで]いく
transparent 透明な, 透き通る

くらくなると、さまざまな色ランプがともされて、
At dusk/ lanterns of many colours/ were lighted
夕暮れ時/ 様々な色のランタンが/ 点火され

dusk (たそがれの)薄暗がり, 夕やみ

水夫たちは、甲板にでて、おどけた踊をおどりました。
and the sailors danced merrily on deck.
水夫達は陽気に踊った

人魚の姫も、はじめて海からでて来たときのことを、おもいうかべずにはいられませんでした。
The little mermaid could not help thinking/ of the first time/ she came up from the sea
人魚の姫は思わずにはいられなかった/ 最初の時の事を/ 海から上がって来た

cannot help ~せざるを得ない

この晩のような華やかな、たのしいありさまを目にみたときのことを。
and saw the same splendour and gaiety;
見た同じ華やかさと賑わいを

splendour 雄大, 素晴らしさ, 光彩, 壮麗, 栄耀
gaiety 陽気, 快活, 愉快

それで、姫もついなかまにまじって、おどりくるいたくなりました。
and she now threw herself/ among the dancers,
それで彼女は飛び入りし/ 踊り子達の中に

姫は、それはまるで、つばめが追われて、身をひるがえして逃げるときのような身がるさでおどりまわりました。
whirling,/ as a swallow skims/ through the air when pursued.
くるくると回った/ ツバメが旋回する様に/ 空中で追われて

whirl ぐるぐる[くるくる]回る; 渦巻く
pursue〈人・動物〉を追う, 追跡する

そのみごとな踊りぶりを、みんなやんやとさわいでほめました。
The onlookers cheered her/ in amazement,
見物人は喝采した/ あっけに取られて

onlooker 傍観者, 見物人
cheer 歓声をあげる,かっさいする
in amazement あっけに取られて, 驚きあきれて, びっくりして

姫にしてもこれほどみごとに踊ったのははじめてです。
never had she danced/ so divinely;
彼女は踊ったことがなかった/ これ程みごとに

divinely《口語》すばらしく,神のように,神々しく

おどりながら、きゃしゃな足は、するどい刄もので切りさかれるようにかんじました。
her delicate feet pained her/ as if they were cut with knives,
か弱い彼女の足に激痛が走った/ まるでナイフで切り裂かれるかの様に

けれどそれを痛いともおもいません。
but she did not feel it,
でも彼女は痛みを感じなかった

それよりも、胸を切りさかれる痛みをせつなくおもいました。
for the pain at her heart/ was much sharper.
心の痛みの為に/ 遥に鋭かった

王子をみるのも、今夜がかぎりということを、姫は知っていました。
She knew that/ it was the last night
彼女は分かっていた/ これが最後の夜だと

★カット

このひとのために、姫は、親きょうだいをも、ふるさとの家をも、ふり捨てて来ました。
for whom/ she had forsaken/ her kindred and her home;
王子の為に/ 彼女は見捨てて来た/ 親兄弟や家を

forsaken 〈友などを〉見捨てる,見放す
kindred 親類縁者

せっかくのうつくしい声もやってしまったうえ、
she had given up her beautiful voice,
美しい声もあげてしまい

くる日もくる日も、はてしないくるしみにたえて来ました。
and suffered unheard-of pain/ daily for him,
たとえようのない苦しみに耐えた/ 毎日王子の為に

そのくせ、王子のほうでは、そんなことがあったとは、ゆめにもおもってはいないのです。
while he knew nothing of it.
その間王子は何も知らなかった

ほんとうに、これがさいごの夜になりました。
This was the last evening
これが最後の夜です

★カット

そのひととおなじ空気を吸っていて、
that she would breathe/ the same air as he,
空気を吸い/ 王子と同じ

ふかい海と星月夜の空をながめるのも。
and would look upon/ the mighty deep,/ and the blue starry heavens;
眺めるのも/ 深遠な海と/ 青い星空を

starry heavens 星空

この一夜すぎれば、
an endless night
終わりのない夜が

endless 終わりのない, 永久に続く, 無限の

ものをおもうことも、夢をみることもない、
without thought/ and without dreams
考える事もなく/ 夢もない

ながいながいやみが、たましいをもつことのできなかった、この姫を待っていました。
awaited her,/ who neither had a soul,/ nor could win one.
彼女を待ち受けていた /魂を持っていない/ また勝ち取ることも出来なかった

await (…を)待つ, 待ち受ける

船の上では、でも、たれも陽気にたのしくうかれて、真夜中すぎまでもすごしました。
The joy and revelry on board lasted/ till long past midnight;
船上の楽しい歓談は続いた/ 真夜中過ぎまで長く

revelry 飲み騒ぎ,飲めや歌えの大騒ぎ
last (時間的に)続く; 持続する,存続する

そのなかで、姫は、こころでは、死ぬことをおもいながら、いっしょにわらっておどりました。
she went on laughing and dancing with the thought of death all the time in her heart.
彼女は笑って踊り続けた/ 死を思いながら/ 始終心の中で

王子がうつくしい花よめにくちびるをつけると、
The prince caressed his lovely bride
王子は美しい花嫁を抱きしめ

caress 愛撫《キス・抱擁など》する,抱きしめる

王女は王子の黒い髪をいじっていました。
and she played with/ his raven locks,
花嫁はいじくった/ 王子の真っ黒な髪の房を

play with いじくる
raven 真っ黒な
lock 髪の房(ふさ); (ひと房の)巻き毛,たれ髪

そうして、手をとりあって、きらびやかな天幕のなかへはいりました。
and with their arms entwined/ they retired/ to the gorgeous tent.
そして腕を絡ませ/ 二人は退いた/ 豪華なテントの中へ

entwine〔…を〕からませる,まつわらせる
retire 退く,去る,床につく,就寝する

船の上は、ひっそり人音もなくなりました、
All became hushed/ and still on board the ship,
あたりは静まり/ 船上もひっそりとした

hushed 静まった,静かな
still 静かな; しんとした,音のしない,黙った

ただ、舵とりだけが、あいかわらず、舵をひかえて立っていました。
only the steersman stood/ at the helm;
舵取りだけが立っていた/ 舵を握って

人魚の姫は、船のへりにその白い腕をのせて、
the little mermaid laid her white arms/ on the gunwale
人魚の姫は白い腕を添え/ 船べりに

gunwale 【航海, 海語】 舷縁(げんえん), ガンネル,船べり

赤らんでくる東の空をじっとながめていました。
and looked eastwards/ for the pink-tinted dawn;
東方を眺めた/ 赤らむ夜明けの

eastwards = eastward 東に向かって,東方へ
tint (薄く)色をつける
dawn 夜明け,あけぼの,暁

そのはじめてのお日さまの光が、じぶんをころすのだ、と姫はおもいました。
the first sunbeam,/ she knew,/ would be her death.
最初の日の光は/ 彼女は分かっていた/ 自分の死だと

そのときふと、おねえさまたちが、波のなかから出てくるのがみえましたが、
Then she saw her sisters/ rise from the water;
その時彼女は姉達を見た/ 水から上がるのを

だれも姫とおなじように、青い顔をしていました。
they were as pale/ as she was;
みんな青ざめていた/ 彼女と同様

しかも、そのうつくしい髪の毛も、風になびかしてはいませんでした。
their beautiful long hair/ no longer floated on the breeze,
その美しい長い髪の毛は/ もはや風になびいていなかった

no longer もはや…ない

それはきれいに切りとられていました。
for it had been cut off.
切り取られていた

「あたしたち、髪を魔女にやってしまったのよ、あなたをたすけてもらおうとおもってね。
‘We have given it to the witch/ to obtain her help,
「私達は髪を魔女にやった/ 彼女の助けを得る為に

obtain 得る,手に入れる; 獲得する

なんでもあなたを今夜かぎり死なせたくないのだもの。
so that you may not die to-night!
あなたが今夜死ななくていい様に

すると魔女が、ほらこのとおり、短刀をくれましたの。
She has given us a knife;/ here it is,
魔女はナイフをくれた/ これよ

ごらん、ずいぶんよく切れそうでしょう。
look how sharp it is!
見て!なんて鋭いでしょう

お日さまののぼらないうち、
Before the sun rises,
太陽が昇る前に

これで王子の胸をぐさりとやれば、
you must plunge it/ into the prince’s heart,
突き刺すのよ/ 王子の心臓を

plunge 突っ込む,突き刺す

そのあたたかい血が足にかかって、
and when his warm blood sprinkles/ your feet
彼の暖かい血が降りかかると/ あなたの足に

sprinkle 〔…に〕振りかける

それがひとつになって、おさかなの尾になるの。
they will join together/ and grow into a tail,
互いに結合し/ 尻尾になる

そして、あんたはまたもとの人魚のむすめになって、
and you will once more be a mermaid;
そしてあなたは再び人魚になり

海のそこのあたしたちの所にかえれて、
you will be able to come down/ into the water to us,
降りて来れる/ 海の中の私達の所に

このまま死んで塩からい海のあわになるかわりに、このさき三百年生きられるでしょう。
and to live out your three hundred years/ before you are turned into dead,/ salt sea-foam.
そして三百年生き延びれる/ 死ぬ前に/ 塩の海の泡となって

live out〈一生を〉生き延びる

さあ、はやくしてね。
Make haste!
急ぐのよ!

haste 急ぎ,急速

王子が死ぬかあんたが死ぬか、お日さまののぼるまでに、どちらかにきめなくてはならないのよ。
you or he must die/ before sunrise!
あなたか王子が死ぬのよ!/ 朝日が昇る前に

おばあさまは、あまりおなげきになったので、
Our old grandmother is so full of grief
おばあ様はあまりにも悲しまれたので

grief (死別・後悔・絶望などによる)深い悲しみ,悲痛

白いお髪ぐしがぬけおちておしまいになったわ。
that her white hair has fallen off
白髪が抜け落ちてしまった

fall 〈髪などが〉抜け落ちる

あたしたちの髪の毛が魔女のはさみで切りとられてしまったようにね。
as ours fell/ under the witch’s scissors.
私達のが落ちた様に/ 魔女のはさみで

under ~のもとに

王子をころして、かえっておいでなさい。
Slay the prince/ and come back to us!
王子を殺し/ 戻って来て!

slay〈…を〉殺害する

早くしてね。
Quick! Quick!
急いで!

ほらもう、あのとおり空に赤みがさして来たわ。
do you not see/ the rosy streak in the sky?
見えないの?/ 赤みがさした空が

streak 筋,しま,線

もうすぐ、お日さまがおあがりになるわ。
In a few minutes/ the sun will rise
数分で/ 太陽が昇る

すると、いやでも死ななくてはならないのよ。」
and then you must die!’
そしたらあなたは死ぬのよ」

こういって、おねえさまたちは、いかにもせつなそうにため息をつくと、
saying this/ they heaved a wondrous deep sigh
こう言って/ 姉達は大きな深いため息をつき

heave うなり声を出す, 溜息をつく, 胸が波打つ
wondrous 驚くほど,不思議なほど
sigh ため息,吐息; 嘆息

波のなかにすがたをかくしました。
and sank among the waves.
波の中に潜りました