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「人魚姫」英語音声対訳 10 魔女との取引

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10. Trade with the witch
10. 魔女との取引

Then she came to/ a large opening in the wood/ where the ground was all slimy,
その後彼女は来た/ 森の開けた所に/ 地面がぬかるんだ

やがて、姫は、森のなかの広場のぬるぬるすべる沼のような所へ来ました。

opening 空き地,広場
slimy ぬるぬるした,粘液性の,泥だらけの

and where some huge fat water snakes/ were gambolling about.
そこには巨大な太った水ヘビ達が/ はね回っていた

そこには脂ぶとりにふとった水へびが、くねくねといやらしい白茶けた腹をみせていました。

huge 巨大な; 莫大な
gambol about はね回る,ふざける

In the middle of this opening was a house/ built of the bones of the wrecked;
この広場の真ん中は家であった/ 難破した人達の骨で造られた

この沼のまんなかに、難船した人たちの白骨でできた家がありました。

there sat the witch,
そこに魔女は座っていた

その家に、海の魔女はすわっていて、

letting a toad eat out/ of her mouth,
ヒキガエルに食べさせていた/ 口移しで

一ぴきのひきがえるに、口うつしでたべさせているところでしたが、

toad ヒキガエル, ガマ

just as mortals let a little canary/ eat sugar.
丁度人間がカナリアにしている様だった/ 砂糖を食べさせて

そのようすは、人間がカナリヤのひなにお砂糖をつつかせるのに似ていました。

She called/ the hideous water snakes/ her little chickens,
彼女は呼んだ/ あの恐ろしい水ヘビを/ うちのひよっ子と

あのいやらしく、肥ぶとりした水へびを、魔女はまた、うちのひよっ子と名をつけて、

hideous ひどく醜い; 見るも恐ろしい,ぞっとする

and allowed them to crawl/ about on her unsightly bosom.
そして這いつくばるのを許した/ 自分の醜い胸に辺りで

じぶんのぶよぶよ大きな胸の上で、かってにのたくらせていました。

crawl (のろのろ)はう,腹ばっていく
unsightly 見苦しい,不体裁な,醜い,目障りな

‘I know very well/ what you have come here for,’/ said the witch.
「よく分ってる/ お前さんが何しにここに来たかを」/ と魔女は言った

「ご用むきはわかっているよ。」と、海の魔女はいいました。

‘It is very foolish of you!
「それはとても愚かな事だ

「ばかなことかんがえているね。

all the same/ you shall have your way,
それでも/ お前さんは思い通りするだろうが

だが、まあ、したいようにするほかはあるまい、

all the same それでも;やはり

because it will lead you/ into misfortune,/ my fine princess.
それはお前さんを導くからだ/ 不幸に/ 上品なお姫様

そのかわり、べっぴんのお嬢さん、その男ではさぞつらいめをみることだろうよ。

misfortune (大きな)不幸,不運

You want to get rid of/ your fish’s tail,
お前さんは取り除きたい/ 魚の尻尾を

おまえさん。そのおさかなのしっぽなんかどけて、

get rid of 取り除く; 追い払う, 処分する

and instead/ to have two stumps/ to walk about upon/ like human beings,
そして代わりに/ 2本の切り株を持ちたい/ 歩き回る為に/ 人間の様に

かわりに二本のつっかい棒をくっつけて、人間のようなかっこうであるきたいのだろう。

nstead その代わりとして; それよりも
stump 切り株
walk about 歩き回る

so that the young prince may fall in love/ with you,
若い王子が恋に落ちる為に/ お前さんと

それでわかい王子をつって、

and that you may win him/ and an immortal soul.’
しかもお前さんは彼をものにし得る/ 死なない魂も」

ついでに死なないたましいまで、手に入れようってのだろう。」

and that しかも

Saying this,/ she gave such a loud hideous laugh
こう言って/ 魔女は気味悪い笑い声をたてた

こういって、魔女は奇抜な声をたてて、うすきみわるくわらいました。

hideous ぞっとする

that the toad and the snakes fell/ to the ground
それでヒキガエルとヘビは落ちた/ 地面に

そのひびきで、かえるもへびも、ころころところげおちて、

and wriggled about there.
そしてそこでのたくり回った

のたくりまわっていました。

wriggle about のたくりまわる

‘You are just in the nick of time,’/ said the witch;
「お前さんは丁度刻みの時に来た」/ と魔女は言った

「おまえさん、ちょうどいいときに来なすったよ。」と、魔女はいいました。

nick (目印となる)刻み目,切り込み

‘after sunrise to-morrow
明日の日の出過ぎは

「あしたの朝、日が出てしまうと、

I should not be able to help you/ until another year had run its course.
私はお前さんを助けることができない/ もう一年回って来るまで

もうそのあとでは、また一年まわってくるまで、どうにもしてあげられないところだったよ。

I will make you a potion,
お前さんに薬を作ってあげよう

では、くすりを調合してあげるから、

potion (毒薬・霊薬などの)水薬; (その)一服

and before sunrise
そして日の出前に

それをもって、日の出る前、

you must swim ashore/ with it,
岸まで泳ぎ/ それを持って

おかの所までおよいでいって、

ashore 岸辺に, 岸に[へ]

seat yourself on the beach/ and drink it;
浜辺に座り/ それを飲みなさい

岸に上がって、それをのむのだよ。

then your tail will divide
するとお前さんの尻尾は分かれ

すると、おまえさんのそのしっぽが消えてなくなって、

divide 分かれる,割れる

and shrivel up to what/ men call beautiful legs.
そして縮み上がる/ 人間が美しい足と呼ぶものに

人間がかわいい足と、名をつけているものにちぢまる。

shrivel up 縮み上がる

But it hurts;
だが痛みを伴う

だが、ずいぶん痛かろうよ。

it is as if/ a sharp sword were running/ through you.
それはまるで/ 鋭い剣でえぐられる様なもの/ 体の中を

それはちょうど、するどいつるぎを、からだにつッこまれるようだろうよ。

sword 剣,刀

All who see you will say that/ you are the most beautiful child of man/ they have ever seen.
お前さんに出会った誰もが言うだろう/ 最も美しい人間の娘だと/ これまで見た中で

さて、出あったものは、だれだって、おまえさんのことを、こんなきれいな人間のむすめを見たことがないというだろう。

You will keep/ your gliding gait,
お前さんは振舞う/ 華麗な足取りを

おまえさんが浮くようにかるく足をはこぶところは、

glide 音もなく歩く,すうっと動く
gait 歩きぶり, 足どり

no dancer will rival you,
どんな踊り子もかなわない

人間の踊り子にまねもできまい。

rival 競争する,張り合う

but every step you take/ will be
だが全ての足取りは/ なるだろう

ただ、ひと足ごとに、

tread 歩く,行く

as if you were treading upon/ sharp knives,
あたかも踏んでいるかの様に/ するどい刄物を

おまえさん、するどい刄物をふむようで、

tread upon 踏みつける

so sharp/ as to draw blood.
身を切るような/ 血を流す程の

いまにも血がながれるかとおもうほどだろうよ。

sharp 肌を刺すような,身を切るような
draw 〈血を〉流させる

If you are willing/ to suffer all this
お前さんにその気があるならば/ これら全てを耐え忍ぶ

それをみんながまんするつもりなら、

suffer 〈苦痛・不快な事を〉経験する,こうむる,受ける

I am ready to help you!’
手助けしよう」

相談にのって上げる。」

‘Yes!’ said the little princess/ with a trembling voice,
「やります」と人魚の姫は言った/ 震える声で

「ええ、しますわ。」と、人魚の姫は、声をふるわせていいました。

thinking of the prince/ and of winning an undying soul.
王子の事を考えながら/ そして死なない魂を得る事を

そうして、王子のことと、それから、死なないたましいのことを、しっかりとおもっていました。

‘But remember,’ said the witch,
「だが忘れなさんな」と魔女は言った

「でも、おぼえておいで。」と、魔女はいいました。

‘when once you have received a human form,
「一度お前さんが人間の姿を受けるなら

「おまえさんは、いちど人間のかたちをうけると、

form 形, 形状, かっこう

you can never be a mermaid again;
二度と人魚に戻れない

もう二どと人魚にはなれないのだよ。

you will never again be able to dive down/ through the water/ to your sisters and to your father’s palace.
お前さんは二度と潜る事は出来ない/ 水中を/ 姉達や父の宮殿に

海のなかをくぐって、きょうだいたちのところへも、おとうさんの御殿へもかえることはできないし、

And if you do not succeed in/ winning the prince’s love,
そしてもし成功しなければ/ 王子の愛を勝ち取る事に

それから王子の愛情にしても、

so that for your sake/ he will forget father and mother,
お前さんの為に/ 彼が父や母を忘れ

もうおまえさんのためには、おとうさんのこともおかあさんのこともわすれて、

cleave to you/ with his whole heart,
お前さんに執着し/ 真心で

あけてもくれてもおまえさんのことばかりを、かんがえていて、

cleave 固守する,執着する; 忠実である
whole heart 真心

let the priest join your hands and make you man and wife,
司祭にさせる/ お前さんの手を繋がせ/ そして夫婦の関係にする/

もうこの上は、司祭さんにたのんで、王子とおまえさんとふたりの手をつないで、晴れてめおととよばせることにするほかない、

man and wife 夫妻

you will gain no immortal soul!
(でなければ)死なない魂を得られない

というところまでいかなければ、やはり、死なないたましいは、おまえさんのものにはならないのだよ。

gain 得る

The first morning/ after his marriage with another
最初の朝/ 彼の結婚が他人になった後の

それがもしかちがって、王子がほかの女と結婚するようなことになると、もうそのあくる朝、

your heart will break,
お前さんの心臓は破裂し

お前さんの心臓はやぶれて、

and you will turn into foam of the sea.’
お前さんは海の泡となる

おまえさんはあわになって海の上にうくのだよ。」

turn into 変わる;変ずる;変る

‘I will do it,’ said the little mermaid
「やります」と人魚の姫は言った

「かまいません。」と、人魚の姫はいいました。

as pale as death.
死人のように青ざめて

けれど、その顔は死人のように青ざめていました。

pale 〈人・顔が〉青白い,青ざめた

‘But you will have to pay me, too,’/ said the witch,
「だがお前さんも私に支払わねばならない」/ と魔女は言った

「ところで、おまえさん、お礼もたっぷりもらわなきゃならないよ。」と、魔女はいいました。

‘and it is no trifle/ that I demand.
それは些細な物ではない/ 私の要求は

「どうして、わたしののぞむお礼は、お軽少なことではないよ。

trifle つまらないもの,ささいな事

You have the most beautiful voice/ of any at the bottom of the sea,
お前さんは最高に美しい声を持っている/ 海の底で誰も及ばない

おまえさんは、この海の底で、だれひとりおよぶもののないうつくしい声をもっておいでだね。

and I daresay/ that you think/ you will fascinate him with it;
それであえて言うが/ お前さんは思っている/ それで王子を魅了しようと

その声で、たぶん、王子をまよわそうとおもっているのだろう。

daresay = dare + say あえて言う,
fascinate 魅(惑)する,悩殺する

but you must give me that voice;
だがその声を私にくれねばならない

ところが、その声をわたしはもらいたいのだよ。

I will have the best you possess/ in return for my precious potion!
お前さんの一番いい物をもらう/ 私の大事な薬と引き換えに

そのおまえさんのもっているいちばんいいものを、わたしのだいじな秘薬とひきかえにしようというのさ。

possess 所有する
in return 返礼に, 返報に, 見返りに〔for〕

I have to mingle/ my own blood with it
私は混ぜねばならない/ 自分の血をそれと一緒に

なにしろそのくすりには、わたしだって、じぶんの血をまぜなくてはならないのだからね。

mingle 混ぜる,一緒にする

so as to make it/ as sharp as a two-edged sword.’
よく効く為に/ 諸刃の剣のように鋭く」

それで、くすりにも、もろ刄のつるぎのようなするどいききめがあらわれようというものさ。」

so as to なるように
make it うまくやり遂げる, 成功する
two-edged sword 諸刃の剣

‘But if you take my voice,’/ said the little mermaid,
「でも声を取られてしまったら」/ と人魚の姫は言った

「でも、あたし、声をあげてしまったら、」と、姫は、いいました。

‘what have I left?’
「私に何が残るのでしょう」

「あとになにがのこるのでしょう。」

‘Your beautiful form,’ said the witch,
「お前さんには美しい姿が」と魔女は言った

「なあに、まだ、そのうつくしいすがたが、」と、魔女はいいました。

‘your gliding gait,
「華麗な足取りが

「それから、そのかるい、うくようなあるきつきが、

and your speaking eyes;
そして物言う目が

それから、そのものをいう目があるさ。

with these/ you ought surely to be able to/ bewitch a human heart.
これらによって/ お前さんはきっと出来る/ 人の心を魅了することが

それだけで、りっぱに人間のこころをたぶらかすことはできようというものだ。

ought to 〈当然〉・…のはずである,
bewitch 〔…で〕うっとりさせる,魅する

Well! have you lost courage?
さては勇気を失くしたかね

はてね、勇気がなくなったかね。

Put out your little tongue,
舌を出して

さあ、その舌をお出し、

and I will cut it off/ in payment for the powerful draught.
私はそれを切り取る/ 強力な薬の支払いとして

それを代金にはらってもらう。そのかわり、よくきくくすりをさし上げるよ。」

in payment for …に対する報酬[償い]として
draught = draft (水薬の)1 回分

‘Let it be done,’ said the little mermaid,
「して下さい」と人魚の姫は言った

「ええ、そうしてください。」と、人魚の姫はいいました。

and the witch put on her caldron/ to brew the magic potion.
そして魔女は大釜に火を付けた/ 魔法の薬を調合する為に

そこで、魔女は、おなべを火にかけて、魔法ののみぐすりを煮はじめました。

put on 〈ラジオ・電灯などを〉つける
caldron 大釜(がま), 大なべ
brew 醸成する, 醸造する, 調合する

‘There is nothing like cleanliness,’ said she,
「清潔に及ぶものは何もない」と魔女は言った

「ものをきれいにするのは、いいことさ。」と、魔女はいって、

nothing like ~に及ぶものはない
cleanliness 清潔さ; 清浄度; 清浄さ; 清浄性; クリーンさ

as she scoured the pot/ with a bundle of snakes;
魔女が鍋を磨くと/ ヘビの束で

へびをくるくるとむすびこぶにまるめて、それでおなべをみがきました。

scour ごしごし磨く,ごしごし洗う〔with〕
pot なべ
bundle of (通例真ん中をくくった)束, 包み

then she punctured her breast
自分の胸に穴を開け

それからじぶんの胸をひっかいて、

puncture (針などで)穴をあける

and let the black blood drop/ into the caldron,
そして黒い血を落とし込んだ/ 大釜の中に

黒い血をだして、そのなかへたらしこみました。

and the steam took the most weird shapes,
湯気が気味悪い形に湯だった

その湯気が、なんともいえないふしぎなきみのわるい形で、むくむくと立って、

enough to frighten any one.
誰をも脅えさせるのに十分な

身の毛もよだつようでした。

Every moment/ the witch threw new ingredients/ into the pot,
次から次へと/ 魔女は新しい成分を投げ込んだ/ 鍋の中に

魔女はしじゅうそれからそれと、なにくれとおなべのなかへ投げ込んでいました。

ingredient 〔混合物の〕成分,原料

and when it boiled
そしてそれが沸騰すると

やがて、ぼこぼこ煮え立ってくると、

the bubbling was/ like the sound of crocodiles weeping.
泡立ちは/ ワニが泣いている様だった

それがわにの泣き声に似た音を立てました。

At last the potion was ready
ついに薬が用意された

とうとう、のみぐすりが煮え上がりましたが、

and it looked like the clearest water.
ただそれは透明な水に見えた

それはただ、すみ切った水のようにみえました。

‘There it is,’ said the witch,
「ほら出来たよ」と魔女は言った

「さあ、できましたよ。」と、魔女はいいました。

and thereupon/ she cut off the tongue/ of the little mermaid,
そしてそこで/ 魔女は舌を切り取った/ 人魚の姫の

そこで、のみぐすりをわたして、代りに人魚の姫の舌を切りました。

thereupon そこで直ちに

who was dumb now/ and could neither sing nor speak.
彼女は今やおしとなり/ 歌う事も話す事も出来ない

もうこれで、ものもいえず、歌もうたえない、おしになったのです。

dumb 物の言えない,口のきけない

‘If the polyps should seize you,/ when you go back through my wood,’/ said the witch,
「もしポリープに捕まれたら/ 森を通って帰る時」/ と魔女は言った

「もしか、かえりみちに、森のなかをとおって、さんご虫どもにつかまりそうになったらね。」と、魔女はいいました。

‘just drop a single drop/ of this liquid/ on them,
「たった一滴たらすがいい/ この液体を/ 奴らの上に

「このくすりをたった一てきでいい、たらしておやり、

liquid 液体

and their arms and fingers/ will burst into a thousand pieces.’
そしたら奴らの腕と指は/ 粉々に吹き飛ぶ」

そうすると、やつら、腕も指もばらばらになってとんでしまう。」

burst 張り裂ける,はち切れる

But the little mermaid had no need/ to do this,
だが人魚の姫に必要はなかった/ それをする

けれど人魚の姫は、そんなことをしないでもすみました。

for/ at the mere sight of the bright liquid,/ which sparkled in her hand/ like a shining star,
と言うのは/ 光る液体を一目見ただけで/ 彼女の手の中で煌く/ 輝く星の様に

さんご虫は、姫の手のなかで、星のようにきらきらするのみぐすりをみただけで、

mere ほんの,単なる, たったの, わずか

they drew back in terror.
彼らは恐怖でたじろいだ

おじけて引っこみました。

draw back 退く, たじろぐ
terror (非常な)恐怖

So she soon got past/ the wood, the bog,/ and the eddying whirlpools.
それで彼女はすぐに抜け出た/ 森、泥炭地/ そして渦巻く流れを

それで、苦もなく、森もぬけ、すくも田もとおって、うずまきの流れもくぐってかえりました。

bog 湿原, 沼地
eddy 渦巻く

She saw her father’s palace;
父の宮殿が見えた

そこに、おとうさまの御殿がみえました。

the lights were all out/ in the great ballroom,
明かりは全て消えていた/ 大きな舞踏の間の

大きな舞踏の間も、もうあかりが消えていました。

and no doubt/ all the household was asleep,
間違いなく/ 家族全員寝た

きっともう、みんな寝たのでしょう。

no doubt 疑いなく, 確かに
household (雇い人も含めて一軒の家に住んでいる)家族

but she did not dare to go in/ now that she was dumb/ and about to leave her home/ for ever.
だが彼女はあえて入らなかった/ 今やおしとなり/ 今まさに家を去ろうとしていたので/ 永遠に

けれど、姫も、いまはもうおしでしたし、このまま、ながいおわかれをしようというところでしたから、おねえさまたちを、さがしにはいっていこうとはしませんでした。

now that からには
about to do まさに…せんとして

She felt/ as if her heart would break/ with grief.
彼女は感じた/ まるで心臓が破れるかの様に/ 悲しみで

もう、せつなくて、胸がはりさけるようでした。

grief (死別・後悔・絶望などによる)深い悲しみ,悲痛

She stole into the garden
彼女は庭にそっと入り

そっと、花園にはいって、

steal そっと行く,忍び込む; 抜け出る

and plucked a flower/ from each of her sisters’ plots
花を1本摘み取り/ 姉達の花壇それぞれから

おねえさまたちの花壇から、めいあいに、ひとつずつ花をつみとって、

wafted with her hand countless kisses/ towards the palace,
何度も投げキッスをして漂った/ 宮殿に向かって

御殿のほうへ、指で、もうなんべんとしれないほど、おわかれのキッスをなげたのち、

waft (風・波などに乗って)漂う,浮動する
countless 数え切れない, 無数の

and then rose up/ through the dark blue water.
その後上に上がった/ 暗い藍色の水を通って

くらいあい色の海をぬけて、上へ上がっていきました。

The sun had not risen/ when she came in sight of the prince’s palace/ and landed at the beautiful marble steps.
太陽は昇ってなかった/ 彼女の視界に王子の宮殿が入り/ そして美しい大理石の階段を上った時

姫が、王子のお城をみつけて、そこのりっぱな階段を上がっていったとき、お日さまはまだのぼっていませんでした。

The moon was shining bright and clear.
月が明るく綺麗に輝いていた

お月さまだけが、うつくしくさえていました。