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「人魚姫」日本語音声対訳 02 地上へのあこがれ

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この姫にとって、海の上にある人間の世界の話をきくほど、おおきなよろこびはありません。
Nothing gave her/ greater pleasure/ than to hear about the world of human beings/ up above;
彼女に何も与えなかった/ より大きな喜びを/ 人間の世界について聞くよりも/ 海の上の

おばあさまにせがむと、船のことや、町のことや、人間やけもののことや、知っていらっしゃることはなにもかも話してくださいました。
she made her old grandmother tell her/ all that she knew/ about ships and towns, people and animals.
彼女は年取った祖母に話させた/ 知っていた全てを/ 船、町、人々、動物について

とりわけ、姫にとってめずらしくおもわれたのは、
But above all it seemed/ strangely beautiful/ to her
中でもそれは思えた/ 妙に素敵に/ 彼女には

above all とりわけ, 中でも, なかんずく
strangely 奇妙に, 変に, 打ち解けずに

海の底ではそうではないのに、地の上では、お花がにおっているということでした。
that up on the earth/ the flowers were scented,/ for they were not so/ at the bottom of the sea;
それは地上では/ 花は香りがしたという事/ と言うのはそうではなかったから/ 海底では

scented よい香りのする
fragrance かぐわしいこと,香気,芳香
not so そうではなく

それと、森がみどり色をしていて、
also that the woods were green,
そのうえ森が緑だった為

その森のこずえのなかに、おさかなが、高い、かわいらしい声で歌がうたえて、
and that the fish which/ were to be seen among the branches/ could sing/ so loudly and sweetly
しかも魚は/ 枝の間で見られた/ 歌う事が出来た/ とても声高く甘く

and that [前文全体を受けて] しかも
to be seen お目にかかる

それがきくひとの耳をたのしくするということでした。
that it was a delight/ to listen to them.
それは人を楽しませた/ 彼らの歌を聞く事が

delight〈耳・目を〉楽しませる

その、おばあさまがおさかなとおっしゃったのは、小鳥のことでした。
You see/ the grandmother called little birds fish,
そうです/ 祖母は小鳥を魚と呼んだ

you see そうです

だって、姫たちは、小鳥というものをみたことがないのですもの、そういって話さなければわからないでしょう。
or/ the mermaids would not have understood her,/ as they had never seen a bird.
でないと/ 人魚達は理解しなかっただろう/ 彼らは鳥を見た事がなかったので

or (else) さもないと, そうでなければ
as …だから,…ゆえに

「まあ、あなたたち、十五になったらね。」と、おばあさまはいいました。
‘When you are fifteen,’/ said the grandmother,
「あなたが十五の時」/と祖母は言った

「そのときは、海の上へ浮かび出ていいおゆるしをあげますよ。
‘you will be allowed/ to rise up from the sea
あなたは許される/ 海から上がる事を

そうすれば、岩に腰をかけて、お月さまの光にひたることもできるし、
and sit on the rocks/ in the moonlight,
そうすれば岩の上に座れる/ 月光をあびて

and もしそうすれば
in the moonlight 月下, 月下に

大きな船のとおるところもみられるし、
and look at the big ships/ sailing by,
そして大きな船を見れる/ そばで航海している

森や町だってみられるようになるよ。」
and you will also see/ woods and towns.’
そしてあなたはさらに見れる/ 森や町も

also さらに, その他にも

来年は、いちばん上のおねえさまが、十五になる年でした。
One of the sisters would be/ fifteen in the following year,
姉妹の1人はなる/ 翌年15に

following 次に続く, 次の

でも、ほかのおねえさまたちは、そう、めいめい、一年ずつ年がちがっていましたから、
but the others,/ —well,/ they were each one year younger/ than the other,
他の者は/ そう/ 彼らは1年づつ若かった/ 他の者より

each one 1つ1つ

いちばん下の姫が、海の底からあがっていって、わたしたちの世界のようすをみることになるまでには、まる五年も待たなければなりません。
so that/ the youngest had five whole years/ to wait/ before she would be allowed/ to come up from the bottom,/ to see what things were like/ on earth.
それで/ 最年少はまる五年あった/待つのに/ 彼女が許される前に/ 海の底から上がるのを/ 物事がどんなだったかをを見る為に/ 地上で

so that それで, そのため

でも、ひとりがいけば、ほかのひとたちに、はじめていった日みたこと、そのなかでいちばんうつくしいとおもったことを、かえって来て話す約束ができました。
But each one promised the others/ to give a full account of/ all that she had seen,/ and found most wonderful on the first day.
でも各自はそれぞれに約束した/ 詳しく話すと/ 見た事全てを/ そして最初の日に見つけた一番素敵な事を

give a full account of 詳細に述べる

なぜなら、おばあさまのお話だけでは、どうも物たりなくて、
Their grandmother could never/ tell them enough,
祖母は決して出来なかった/ 彼らに十分に話す事が

姫たちの知りたいとおもうことが、だんだんおおくなって来ましたからね。
for there were so many things/ about which they wanted information.
なぜなら沢山あったから/ 彼らが欲した情報が

そのなかでも、いちばん下の姫は、あいにく、いちばんながく待たなくてはならないし、ものしずかな、かんがえぶかい子でしたから、それだけれだれよりもふかくこのことをおもいつづけました。
None of them was so full of longings/ as the youngest,/ the very one/ who had the longest time to wait,/ and who was so quiet and dreamy.
彼らの誰も憧れが一杯ではなかった/ 最年少よりも/ まさしくその者/ 待つ時間が一番長い/ そしてとても静かで夢見がちだった

longing あこがれ,思慕
very one まさしくそのもの
dreamy 空想[幻想]にふける

いく晩もいく晩も、姫は、あいている窓ぎわに、じっと立ったまま、
Many a night she stood/ by the open windows
多くの夜彼女は立った/ 開いた窓のそばに

くらいあい色した水のなかで、おさかながひれやしっぽをうごかして、およぎまわっているのをすかしてみていました。
and looked up/ through the dark blue water/ which the fish were lashing/ with their tails and fins.
そして仰ぎ見た/ 暗い藍色の水を通して/ その中で魚が泳ぎ回っているのを/ 尻尾とひれで

lash 前後に激しく動かす,振る
fin (魚の)ひれ

お月さまと星もみえました。
She could see the moon and the stars,
月と星も見れた

faintly かすかに,ほのかに

それはごくよわく光っているだけでしたが、
it is true;/ their light was pale,
確かに/ その光は弱かった

it is true なるほど
pale〈光が〉弱い,薄暗い

でも水をすかしてみるので、おかでわたしたちの目にみえるよりは、ずっと大きくみえました。
but they looked much bigger/ through the water/ than they do to our eyes.
だがそれらはずっと大きく見えた/ 水を通して/ 我々の目に見えるよりも

ときおり、なにかまっ黒な影のようなものが、光をさえぎりました。
When she saw/ a dark shadow glide/ between her and them,
彼女が見た時/ すうっと動く暗い影を/ 彼女とそれらの間で

glide 音もなく歩く,すうっと動く

それが、くじらがあたまの上をおよいでとおるのか、またはおおぜい人をのせた船の影だということは、姫にもわかっていました。
she knew that/ it was either a whale/ swimming above her,/ or else a ship laden with human beings.
彼女はそれを分かっていた/ それはクジラだと/ 頭上を泳いでいる/ 若しくは人を乗せた船だと

either…or… ~か若しくは~
lade 荷を積む

この船の人たちも、はるか海の底に人魚の姫がいて、その白い手を、船のほうへさしのべていようとは、さすがにおもいもつかなかったでしょう。
I am certain/ they never dreamt that/ a lovely little mermaid was standing down below,/ stretching up her white hands towards the keel.
私は確信する/ 彼らが夢にも思わなかった事を/ 可愛い人魚が下に居て/ その白い手を差し伸べていたとは/ 船の方へ

stand 位置する,ある
stretch〈手足などを〉伸ばす,差し伸べる[出す]
keel【航海, 海語】竜骨