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「人魚姫」日本語音声対訳 01 人魚の国の六人の王女

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はるか、沖合へでてみますと、
Far out at sea
遠く離れた海で

far out 遠く離れた

海の水は、うつくしいやぐるまぎくの花びらのように真っ青で、
the water is as blue/ as the bluest cornflower,
水は青い/ 真っ青なヤグルマギクのように

as ~ as …と同じく,…と同様に,…のように,…ほど
cornflower やぐるまぎく

すきとおったガラスのように澄みきっています。
and as clear/ as the clearest crystal;
そして透明/ 澄み切ったガラスのように

でも、そこは、ふかいのなんのといって、
but it is very deep,
だがそこはとても深い

どんなにながく錨綱をおろしても底にとどかないというくらいふかいのです。
too deep/ for any cable/ to fathom,
あまりに深い/ どんないかり綱でも/ 深さを測るには

too~to あまりに~で、~できない;~するには~すぎる
cable いかりづな,錨鎖(びようさ)
fathom 〈水の〉深さを測る

教会の塔を、数え切れないほど積み重ねても、
and if many steeples were/ piled on the top of one another
たとえ多くの教会の塔が/ 互いの上に積み重ねられたとしても

if 【譲歩】たとえ…としても
steeple (教会などの)尖塔(せんとう)
pile 積み重ねる

水の上まではとどかないのです。
they would not reach/ from the bed of the sea/ to the surface of the water.
それらは届かないだろう/ 海底から/ 水面に

surface 表面,外面
bed of the sea 海底

そういうふかい海の底に、海のおとめたち、人魚のなかまは住んでいるのです。
It is down there/ that the Mermen live.
その深い場所/ 人魚たちが住むのは

ところで、海の底なんて、ただ、からからな砂地があるだけだろうと、そうきめてしまってはいけません。
Now don’t imagine/ that there are only bare white sands/ at the bottom;
ところで想像しないように/ からからな白い砂地だけがあると/ 海底には

bare からの,中身がない

どうして、そこには、世にもめずらしい木や草がたくさんしげっていて、
oh no! the most singular flowers and plants/ grow there;
そう/ 世にもめずらしい花や草木が/ そこに繁っている

singular 奇妙な,風変わりな,珍しい

そのじくや葉のしなやかなことといったら、
with such flexible stalks and leaves,
そのしなやかな茎や葉によって

flexible 曲げやすい, しなやかな
stalk 茎, 軸

ほんのかすかに水がゆらいだのにも、
that at the slightest motion of the water
ほんの僅かな水の揺れで

slight わずかな,少しばかりの

いっしょにゆれて、まるで生きものがうごいているようです。
they move/ just as if they were alive.
それらは動く/ まるで生き物のように

as if まるで…であるかのように

ちいさいのも、おおきいのも、いろんなおさかなが、
All the fish,/ big and little,
全ての魚/ 大きいも小さいも

その枝と枝とのなかをつうい、つういとくぐりぬけて行くところは、
glide among the branches
枝の間をすうっと動く

glide 音もなく歩く,すうっと動く

地の上で、鳥たちが、空をとびまわるのとかわりはありません。
just as,/ up here,/ birds glide through the air.
ちょうど同じ様だ/ この地上で/ 鳥達が空中を飛ぶのと

as (…する)のと同様に

この海の底をずっと底まで行ったところに、海の人魚の王さまが御殿をかまえています。
The palace of the Merman King/ lies in the very deepest part;
人魚の王の宮殿は/ 最深部にある

palace 宮殿
merman 人魚, 半魚人
lie 位置する,ある

その御殿の壁は、さんごでできていて、
its walls are of coral
その壁は珊瑚からなる

coral さんご

ほそながく、さきのとがった窓は、すきとおったこはくの窓でした。
and the long pointed windows/ of the clearest amber,
長く尖った窓は/ 澄み切った琥珀からなる

amber こはく
pointed とがった, 鋭い

屋根は貝がらでできていて、
but the roof is made/ of mussel shells
屋根は作られていた/ ムラサキイガイの殻で

mussel ムラサキイガイ

海の水がさしひきするにつれて、貝のふたは、ひとりでにあいたりしまったりします。
which open and shut/ with the lapping of the water.
それは開閉する/ 水の差し引きで

lap〈波などが〉〔…を〕洗う,ひたひたと寄せる

これはなかなかうつくしいみものでした。
This has a lovely effect,
これは華麗な現象

effect (原因から直接引き起こされる)結果,効果

なぜといって、一枚一枚の貝がらには、それひとつでも女王さまのかんむりのりっぱなそうしょくになるような、大きな真珠がはめてあるのでしたからね。
for/ there are gleaming pearls/ in every shell,/ any one of which/ would be the pride/ of a queen’s crown.
と言うのは/ 輝く真珠があるから/ 全ての貝殻の中には/それらの一つ一つは/ 気位に値するだろう/ 女王の冠の

for【接続詞】という訳は
glittering 光り輝く,きらめく

ところで、この御殿のあるじの王さまは、もう、なが年のやもめぐらしです。
The Merman King had been/ for many years a widower,
人魚の王はなっていた/ なが年男やもめに

widower 男やもめ

そのかわり、年とったおかあさまが、いっさい、うちのことを引きうけておいでになりました。
but his old mother/ kept house for him;
だが年取った母が/ 代わりに家を治めていた

このおかあさまは、りこうな方でしたけれど、
she was a clever woman,
彼女は賢い女だった

ごじぶんのたかい身分をほこりたさに、
but so proud/ of her noble birth
だがとても誇り高い/ 貴族出身として

noble birth 貴い家柄

しっぽにつける飾りのかきを十二もつけて、
that she wore twelve oysters/ on her tail,
彼女は12の牡蠣を身に着けた/ 尻尾に

そのほかはどんな家柄のものでも、六つから上つけることをおゆるしになりませんでした。
while/ the other grandees were/ only allowed six.
ところが/ 他の高官達は/ 6つだけ許された

while ところが一方,同時に
grandee 高官

そんなことをべつにすれば、とてもほめられてよい方でした。
Otherwise/ she was worthy/ of all praise,
その他の点では/ 彼女は値する/ 全て賞賛に

otherwise その他の点で
worthy of 〔…に〕値して,ふさわしくて
praise 賞賛;ほめ言葉

とりわけ、お孫さんにあたる姫たちのおせわをよくなさいました。
especially because she was so fond of/ the little mermaid princesses,/ her grandchildren.
特に彼女は可愛がったから/ 幼い人魚の姫達を/ 孫である

それはみんなで六人、そろってきれいな姫たちでしたが、
They were six beautiful children,
彼等は6人の綺麗な子供達だった

なかでもいちばん下の姫が、だれよりもきりょうよしで、
but the youngest was the prettiest of all;
でも最年少は一番綺麗だった

はだはばらの花びらのようにすきとおって、きめがこまかく、
her skin was as soft and delicate/ as a roseleaf,
肌は柔らかくて繊細/ 薔薇の花びらのように

delicate 優美な,繊細な; 上品な,優雅な

目はふかいふかい海のようにまっ青でした。
her eyes as blue/ as the deepest sea,
目はまっ青/ 深遠な海のように

ただほかの姫とおなじように、足というものがなくて、
but like all the others/ she had no feet,
だが他の者と同様/ 足がなかった

そこがおさかなの尾になっていました。
and instead of legs/ she had a fish’s tail.
足の代わりに/ 魚の尻尾があった

ながいまる一日、姫たちは、海の底の御殿の、大広間であそびました。
All the livelong day/ they used to play/ in the palace in the great halls,
一日中/ 遊んだものだった/ 宮殿内の大広間で

livelong 〈時が〉長い; …中
used to よく…したものだ

そとの壁からは、生きた花が咲きだしていました。
where living flowers/ grew out of the walls.
そこでは生きた花が/ 壁から出て咲いていた

大きなこはくの窓をあけると、
When/ the great amber windows/ were thrown open
時に/ 大きな琥珀の窓が/ さっと開けられた

throw open〈ドア・窓などを〉さっと開ける

おさかながつういとはいって来ます。
the fish swam in,
魚が泳いで入った

それはわたしたちが窓をあけると、つばめがとび込んでくるのに似ています。
just as/ the swallows fly into our rooms/ when we open the windows,
ちょうど同じ様だ/ つばめが部屋に飛び込んでくるのと/ 窓を開けた時に

ただ、おさかなは、すぐに姫たちの所まで泳いで行って、
but the fish swam/ right up to/ the little princesses,
ただ魚は泳いだ/ 直前まで/ 姫達の所へ

right up to 直前まで

その手からえさをとってたべて、
ate out of their hands,
彼らの手から物を食べた

なでいたわってもらいました。
and allowed themselves/ to be patted.
そして許された/ 撫でられる事を

pat 軽くたたく, なでる

御殿のそとには、大きな花園があって、
Outside the palace was/ a large garden,
宮殿の外は/ 大きな庭

はでにまっ赤な木や、くらいあい色の木がしげっていました。
with/ fiery red and deep blue trees,
一緒に/ まっ赤と藍色の木々

fiery 火の, 猛火の

その木の実は金のようにかがやいて、
the fruit of which shone/ like gold,
その実は輝いた/ 金のように

花はほのおのようにもえながら、
while/ the flowers glowed/ like fire
間に/ 花が照り輝いた/ 炎のように

glow 燃えるようである,照り輝く

しじゅうじくや葉をゆらゆらさせていました。
on their ceaselessly waving stalks.
止めどなく動いている茎の上で

ceaselessly のべつ幕なし, 止めどなく
stalk 茎, 軸

海の底は、こまかい砂でしたが、
The ground was of the finest sand,
地はきめ細かな砂だったが

finest 微細な

それは硫黄の火のように青く光りました。
but it was of a blue phosphorescent tint.
それは青い硫黄の炎のようだった

phosphorescent リン光性の
tint 色合い, (赤み・青みなどの)…み

そこでは、なにもかも、ふしぎな、青い光につつまれているので、
Everything was bathed in/ a wondrous blue light/ down there;
全てはつつまれていた/ 不思議な青い光に/ 下のそこでは

bathe in〈…を〉おおう; いっぱいに注ぐ
wondrous 驚くほど,不思議なほど

それはふかい海の底にいるというよりも、なにか宙に浮いていて、上にも下にも青空をみているようでした。
you might more readily have supposed yourself/ to be high up in the air,/ with only the sky/ above and below you,/ than that you were/ at the bottom of the ocean.
あなたはすぐに感じるはずだ/ 高い空中に居るのではと/ 空模様だけなので/ あなたの上下は/ 海底にいるというよりはむしろ

readily 容易に,たやすく
be supposed to するはずだ
high up in the air 空高く

海のないでいるときには、お日さまが仰げました。
In a dead calm/ you could just catch a glimpse of the sun
完全な静穏時では/ 太陽を垣間見れた

dead まったくの,完全な
calm 穏やかな,静かな
glimpse ちらりと見えること〔of〕
catch a glimpse of 垣間見る

それはむらさきの花のようで、
like a purple flower
紫の花のような

そのすきまからながれだす光が、海の底いちめんひろがるようにおもわれました。
with a stream of light/ radiating from its calyx.
光の流れによって/ その輪から放射している

stream of (液体・気体などの)一定の流れ
radiate 放出する, 射出する
calyx【植物, 植物学】萼(がく)

姫たちは、それぞれ、花園のなかに、ちいさい花壇をもっていて、
Each little princess had/ her own little plot of garden,
各々姫達は持った/ 自分の小区画の庭を

plot 小区画の地所,小地面

そこでは、自由に、掘りかえすことも植えかえることもできました。
where she could/ dig and plant/ just as she liked.
そこでは出来た/ 掘ったり植えたりが/ 好きなように

ひとりの姫は、花壇を、くじらの形につくりました。
One made her flower-bed/ in the shape of a whale;
ひとりは花壇を作った/ 鯨の形に

flower-bed 花壇
shape 形, 形状

するともうひとりは、じぶんのは、かわいい人魚に似せたほうがいいとおもいました。
another thought it/ nice to have hers/ like a little mermaid;
もうひとりは思った/ 自分のは作った方がいいと/ 人魚のようなのを

ところが、いちばん下の姫は、それをまんまるく、そっくりお日さまのかたちにこしらえて、
but the youngest made hers/ quite round like the sun,
だが最年少は自分のを作った/ 太陽のようにまん丸いのを

夕日のようにまっ赤に光る花ばかりを咲かせました。
and she would only have flowers/ of a rosy hue/ like its beams.
そして彼女は花ばかりを植えた/ バラ色の/ その輝きのような

rosy ばら色の, 淡紅色の
hue 色合い, 色調

この姫はひとりちがって、ふしぎとものしずかな、かんがえぶかい子でした。
She was a curious child,/ quiet and thoughtful,
彼女は好奇心の強い子だった/ 静かで考え深い

curious 物を知りたがる; 好奇心の強い

ほかのおねえさまたちが、難船した船かとって来ためずらしい品物をならべたててよろこんでいるとき、
and while the other sisters decked out their gardens/ with all kinds of extraordinary objects,/ which they got from wrecks,
他の姉達が庭を装飾している間/ めずらしい品物で/ 難破した船から取って来た

deck out 装飾する, 飾り立てる
extraordinary 風変わりな, とっぴな
objects 物, 物体
wreck 難破船,破船; (漂着した)難破船の残骸

この姫だけは、うつくしい大理石の像をひとつとって来て、大空のお日さまの色に似た、ばら色の花の下に、それをおいただけでした。
she would have nothing/ besides the rosy flowers like the sun up above,/ except a statue of a beautiful boy.
彼女は何も置かなかった/ 日の出の様なバラ色の花の他には/ 美しい少年の像を除いて

besides …のほかに(も)
statue 彫像,塑像

それはまっ白にすきとおる石をきざんだ、かわいらしい少年の像で、
It was hewn/ out of the purest white marble
それは刻まれた/ まっ白の大理石から

hew 〈石などを〉切る,刻む
marble 大理石  

難破して海の底にしずんだ船のなかにあったものでした。
and had gone to the bottom/ from some wreck.
海底に沈んでいた/ 難破船から

この像のわきに、姫は、ばら色したしだれやなぎを植えました。
By the statue/ she planted/ a rosy red weeping willow
その像のそばに/ 彼女は植えた/ バラ色のシダレヤナギを

weeping willow しだれやなぎ

それがうつくしくそだって、
which grew splendidly,
それは見事に成長した

そのみずみずしい枝が像をこして、
and the fresh delicate branches/ hung round/ and over it,
そして新しく繊細な枝が/ 周囲に掛かり/ 像を越えた

delicate 優美な, 繊細な, 上品な, 優雅な
hang かける,つるす

むこうの青い砂地の上までたれました。
till they almost touched the blue sand
青い砂地に達するまで

touch〈…と〉境を接する,〈…に〉隣接する

そこに濃いむらさきの影ができて、
where the shadows showed violet,
そこで影は濃紺になり

show〔+補語〕〈…に〉見える

枝といっしょにゆれました。
and were ever moving/ like the branches.
始終動いていた/ 枝のように

ever [肯定文で] いつも,常に,始終

それはまるで、こずえのさきと根とがからみあって、たわむれているようにみえました。
It looked/ as if the leaves and the roots were playfully/ interchanging kisses.
それは見えた/ まるで葉と根がたわむれてるかのように/ キスを交わして

playfully じゃれて, 〈たわむれて〉・ふざけて
interchanging 互いにやり取りする, 交換する, 取り交わす